DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

BAAL Corpus Linguistics SIG

今週末の全国高校生英語ディベート大会に合わせて帰国する予定を来週に延期したのは、標題のイベントが今日あるからです。SIGはspecial interest groupの略称で、つまりは学会内の研究会のようなものだと思います。会場はCoventry Universityケンブリッジからロンドン経由で片道2時間半のところにあります。行き帰りが通勤ラッシュと重なったため、交通費が往復で£154と高額となってしまいました。


Corpus Linguistics SIGは年に二回イベントを開催しているようで、今回の内容はSketch Engineの講習会。Sketch Engine自体は昨年までよく授業内外で触っていましたが、今年に入ってからは特に必要性もなく、一度もページを開いていませんでした。今年の10月上旬にインターフェースが変わったことを先月知ったのですが、今回の講習会はそのインターフェースの新しい点・機能を中心に行われました。新機能か否かを問わず、私が学んだ/面白いと思ったことを挙げると

  • Sketch Engineではコンコーダンスラインやword sketchの結果に固有のURLが付いているので、結果を再現したい場合はURLをコピー&ペーストすれば良い
  • sample機能は何度行っても結果は同じ
  • 新インターフェースでpage-specific helpが付き、格段にuser-friendlyになった
  • keyword統計にはARF(average reduced frequency)が用いられている。これはassociation measureである。
  • ヘルプファイルにjargon busterというセクションがあり、Sketch Engineの専門用語を調べられる
  • word sketchにgood example (GDEX)という機能があり、良い例(一文が長すぎない、など)のみを抽出できる(辞書作成に有益)
  • CQLのlcはcase-insensitiveという意味(←これは逆だと思っていた・・・)



などでしょうか。有料であることと自作コーパスをアップする時に1ファイルずつしかアップできないことを除くと、Sketch Engineは使いやすいウェブコンコーダンサーだと思います。


参加者は20-25人ほどで、約半数がBirminghamの学生、残りが他大学の教員+私、という感じでした。Birminghamの学生は期待を裏切らずphraseologyに興味のある人が多いようで、研究テーマを尋ねてもそれ絡みである事が多かったです。ケンブリッジではコーパスに中心的な関心のある学生はほとんどいないので、Birminghamの学生を始めコーパスに興味のある人と多く話せたのは収穫でした。