DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

研究に授業にsupervisionにEP Seminarに

Termが始まり、研究に授業にsupervisionにと予想通り忙しい日々を送っています。研究はまずは手持ちのデータの正確な把握に努めているのですが、現時点では触れば触るほどこちらの当初の想定とは異なるデータであることが明らかになってきています。計画していた分析方法は少なくともそのままではうまくいきそうにないので、別の手法を考えなければなりません。ただ縦断的なデータを扱う標準的な統計手法はおそらくSLAでは確立されていないので、本来であれば他分野の縦断的データ分析手法について読み込みたいのですが、如何せんその時間が確保できません。一年ほど前に今のデータを使うことが決まったので、その際に縦断的データのための統計手法についてそこそこ読んだのですが、その時に考えていたデータと実際のデータにズレがあるのが痛いです。最初からデータがどのようなものか具体的に分かっていればまた違った読み方ができたと思うのですが。


授業に関しては、コンピューターサイエンス研究科で出席している機械学習の授業で読む論文の数式部分がさっぱり分からない以外は、特に変わったことはありません。DTALでの言語習得の授業の今期のテーマは「topicality」です。それがディベート用語であることを思い出すまでに数時間かかる程度にはディベートが自分から抜けていて、嬉しいやら悲しいやらです。何のことかわからない方はすみません。ディスコースレベルの習得の話はこれまでほとんど学んだことがなかったので楽しみである反面、理解するにはある程度の時間を割かなければいけませんがこの授業にどれくらい時間が割けるだろうかという疑問もあります。supervisorを務めている、言語習得・心理言語学・社会言語学の主に三分野を一つの授業内で扱うという変わった授業では、心理言語学のパートが終わったところです。心理言語学も体系的に学んだことがなく聞きかじりで断片的な知識がある、という程度でしたが、学部レベルの60分×5回のみとは言え授業に出ると理解が深まった気がします。また心理言語学の実験は素人目にも面白いものが多いので、その簡易版を授業に組み込むと盛り上がりますね。言語習得や社会言語学と比較すると話が抽象的になりやすいという弊害はありますが。


supervisionは相変わらずです。これまで担当が二グループだったのが事情があり三グループになりましたが、他の事情で担当する学生数はトータルで減ったので、負担はこれまでと同程度でしょうか。


木・金とEnglish Profile Research Seminarでした。年に一度のイベントですが、早三度目の出席です。発表できなかったのは残念ですが、EP関係で段々と知り合いも増えてきて、久しぶりに会う人たちと近況報告をし合えたのでよしとします。内容的にはディスコースに言及する発表(や質疑応答)が多かったような気がします。Cレベルの学習者の中間言語を記述するには局所的な文法ではなく文をこえた繋がりを見る方が有効そうだということでしょうか。


今年は暖冬だと12月-1月は喜んでいたのですが、先月末から突然寒くなり、ついに今日は雪が降りました。