DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

縦断的学習者データ分析

タームが終わりイベントや旅行も終わり、4月に入ってからは研究に集中できる環境が続いています。現在行っているのはEF-Cambridge Learner Corpusから得た縦断的学習者データを類型化するというタスクなのですが、正直に言ってデータがあまりにカオスで少し参り気味です。そもそも数百人・数千人規模の学習者の縦断的データを基に、彼等の発達パターンを一度に記述するというのはおそらくこれまでSLA研究者が取り組んでこなかった(取り組む必要のなかった)問題で、従って手法面で道標となるような先行研究が少なく、だからこそ面白いと思う反面、博士課程の終わりが見えてきた今ここでそんなにゆっくりと考えてられないという実情もあります。カオスならカオスなまま記述を試みようかとDynamic Systems Theoryについても読んでみましたが、やはりというべきか、DSTは少数の学習者から縦断的に複数の指標を用いてデータを取り解釈するというのが現在の主流のようで、それを学習者コーパスデータに援用するのは容易ではなさそうです。さてどうしようか、と思いながら日々R(+一部Perl)に向かっています。


それはそうと、今年はEuroslaで発表します。Doctoral workshopですが。昨年rejectされたペーパーのデータの解釈を一新したので、その部分に対するフィードバックが欲しいのです。もしほかにも参加される方がいらっしゃいましたら9月にポズナンでお会いしましょう。