DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

最後のMichaelmas Term

授業を何も履修していないのですが、Termが始まってから研究に充てられる時間が大分減りました。主な理由は計算言語学のsupervisionで、教科書となっているJurafsky and Martin (2009)を理解し、隔週ですがsupervisionの課題を解き、学生の課題にコメントを入れなければなりません。昨年のLanguage, Brain and Societyに比べれば課題の問の意図がわかりやすいのですが、その代わりに馴染みの薄い箇所もあり(これは去年もありましたが・・)、毎回それなりに時間を取られてしまっています。ただ私にとっても計算言語学を体系立って学ぶ良い機会ですし、勉強になっています。


また、今期からComputing Serviceというところが開講しているC++の講座に出席しています。一年目によくPythonUnixの講習会に出ていたのと同じIT Trainingの一つですが、これはその枠組みの中でもやや特殊で、隔週×半年ほど続きます。また他の講習会のようにその時間だけ出席すれば良いという類のものではなく、教科書を購入して各自で進めることが義務とされています。教科書となっているStroustrup (2008)はわかりやすく、進めていて楽しいのですが、如何せんプログラミングは時間を取られます。


更に、今期はCamSLAというSLAの読書会が毎週開催されています。SLAの課題論文を事前に読んで来て、それに関するディスカッションをその場で行うという形式です。今期はInterface Hypothesisについて集中的に読んでいおり、慣れない言語学ベースのSLA論文でも、narrow readingをすれば理解できるようになるものだと感じています。ただそれでも一本を読むのに相当時間がかかり、これまた研究時間を削る要因になっています。


これらはTerm中だけですし、いずれも私の経験になったり長期的には力を伸ばすものなので、満足しています。ただ現実的に研究時間が足りないのも確かで、来年の早い段階で博論提出に漕ぎ着けたいのですが、またゴールは全然見えていません。