DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

十色会で発表

ケンブリッジ十色会という日本人会があるのですが、ここでは毎回ケンブリッジ大学の学生や若手研究者が自身の研究を一般向けに発表し、その後に質疑応答を行います。総合大学の街であることを活かした、なんとも学術的な会です。私も来英以来、時々参加していて、耳学問程度に色々と聞けて面白いと思っていたのですが、先日はついにと言うべきか、発表の機会が回ってきてしまいました。


発表タイトルは「英語を学ぶと英語力は伸びるのか - 第二言語習得研究の知見から -」というもの。コーパスの話をしようかとも思ったのですが、コーパス+英語教育やコーパスSLAで一般ウケしそうなアカデミックなネタが思い浮かばず、SLA一本でいくことにしました。内容は「L2習得=形式-意味-機能のマッピングの暗示的知識を得ること」を時間をかけて説明したもので、SLAをかじったことのある人にとっては特に目新しい事はないはずです。一般向けとは言えオーディエンスには研究者が多いので、アカデミックな内容(1)と専門柄・土地柄、英語学習へのヒント(2)の二点を含めるようにした結果、(1)に関しては明示-暗示の区別や(特に暗示的学習に関しての)研究法、(2)に関しては具体的な学習法(多読・多聴など)にも多少触れましたが、それよりも考え方(上に挙げたマッピングを意識する+明示的知識だけではダメ)を伝えるようにしました。発表についての私の後日のツイートはこちらをご覧ください。


先週でLent Termも終わり、supervisionも今年度分はほぼ終了しました。なんだかんだで学期中は時間が取られるので、ようやく冬休み以来の腰を落ち着けて博論に取り組める時間がやってきました。博論はもうあと少しで終わるはずなのですが、ずっとそんなことを言ってる気もします。