BAAL 2010
学会ツアーもようやく最終局面。9日-11日までBritish Association for Applied Linguistics (BAAL)の年次大会に出席しました。開催地はエジンバラとグラスゴーに次ぐスコットランド第三の都市であるアバディーン。空も建物も灰色の街と聞いていましたが、地球の歩き方によると「銀色の街」とのこと。物は言いようです。
マンチェスターからアバディーンに飛び、初スコットランド上陸。アバディーンはスコットランドの中でも相当北に位置しており、今後イギリス内でこれよりも北に来ることはあるのかどうか疑問です。8月下旬のケンブリッジが既にマフラーが必要なほど寒かったので、それよりも寒いことを覚悟していたのですが、少なくとも滞在期間は極端に寒くなることはなく、コンスタントに10℃以上だったと思います。
さて本会議の参加者はEuroslaと同様300人程度で、こちらもEuroslaと同様日本人の参加者が非常に多かったです。ただEuroslaとは違い、中国・台湾系の発表者も多く、私が拝聴した発表は半分以上が中国・台湾系の方による発表だったと思います。
本大会のテーマが「Applied Linguistics: Global and Local」ということで、Pennycookなど習得、教育系ではない方々が基調講演をされていて、私の興味とはあまり合いませんでした。発表は言語教育に関するものが多いので、基調講演も言語教育系を一人くらい混ぜれば良いのではないかと思うのですが・・・。結局四本ある基調講演の内、出席したのは最初の一本のみでした。
コーパスに関する発表も多数あり面白かったのですが、コンコーダンスラインを見る+頻度をカウントする以上のことを行っている研究はあまりない印象です。その中で面白いと思ったのは以下。
Nottingham大学のAnne Li-E Liu氏
- 研究設問
- 手法
- 結果
- コメント
- 文脈の中でのdiscourse markerの種類がリーディングスピードに影響を与えるというのは面白いと思いました。確かに読んでいて表現に目が留まることはありそうです。ただ上級学習者でもある程度は文体に敏感でしょうし、また(質疑応答時に指摘されていましたが)NSがNNSよりも読むスピードが遅くなるというのは考えづらいです。
来年はBristolにあるUniversity of the West of Englandというところで9月1日から3日まで開催されるようです。今年に比べれば大分ケンブリッジから近いですし、余裕があれば行ってみようと思います。