新年度とLondonR
新年度が本格的に始まり、慌しく日々を過ごしています。RCEALには今年度MPhilに14名とPhDに7名を迎え、計34名となりました。ミーティングで配布された資料によるとMPhilの学生の出身国は中国4名、モンテネグロ2名、英国・米国・ニュージーランド・セルビア・クロアチア・ハンガリー・台湾・香港が各1名だそうです。中国・台湾・香港でMPhilの半数近くを占めており、随分とアジア人率が高くなりました。これまではPhDを含めても日本人・中国人・ブルネイ人が各1名のみだったので。PhD学生の内訳は英国5名、米国2名、キプロス2名、中国2名、ドイツ2名、オーストラリア・ジャマイカ・マケドニア・ポーランド・スロバキア・ブルネイ・日本が各1名と比較的バランスが取れていると思います。
今期私が履修あるいは聴講する予定の授業は
- Language Acquisition and Development (MPhil向けの授業)
- Assessment of Language Proficiency (同)
- Syntax(同)
- Computational Corpus Linguistics
- Language Learning and Cognition Reading Group
の5つで、そのほかにTuesday Colloquiaとsupervisionが研究科での主要イベントです。
木曜日に早速「Language Acquisition and Development」という授業がありました。講師は二年ほど前にRCEALでPhDを取得された方だそうです。初回に配布された授業計画によると、序盤は社会言語学や言語習得の社会的要因を扱い、中盤に入ると対照分析や誤用分析、形態素習得順序研究にacculturation modelなどが入ってきて、終盤ではESFプロジェクトや用法基盤理論がカバーされるようです。内容をざっと見る限りは、日本で受けてきたSLA教育にこれまでで最も近い授業だと思います。
初日は社会言語学の簡単な概論のみ。言語と方言の差はどこにあるか、という定番のトピックで以下の動画を観賞しました。ドイツ人とシンガポール人が電話越しに英語で話すのですが、シンガポール人の英語(シングリッシュ)が通常の英語と相当に離れていて、なかなか意思疎通ができないという内容です。
上記授業の中で1と3は朝一(9時〜)です。週に二日も朝一から授業が入るのは学部の2年生以来くらいだと思うのですが、2ヶ月程度ですし頑張ろうかと思います。
さて先週は新年度が始まるほかに、LondonRというRの勉強会にも参加してきました。これまでTsukuba.R、Tokyo.R、Osaka.R、Nagoya.R、Shiga.Rなどに関するtweet、発表資料、ust等々を指を咥えて見ているだけでしたが、ついに私にもローカルRコミュニティーに参加する機会が巡ってきました。
まず驚いたのが会場です。案内に書いてあった場所に行ってみると、そこはただのパブ。
困惑しながらも中に入ってみると、パブの中にLondonRの案内が!
建物の大分奥の方に会場がありました。
発表会場はこのような感じです。
その手前にはバーカウンターがあります。何でも飲み放題なのに、参加費は無料です。
参加費が無料である理由は、LondonRがデータ分析のコンサル会社であるMango-Solutionsという企業によって運営されており、彼等が費用を負担しているからです。Mango-SolutionsはほかにもRのトレーニングなどを行っているようです。2日間で£1,000など非常に高額ですが。
さてLondonRでは空きっ腹で少し疲れていたのに無料だからと開始前にビールを飲んでしまったため、発表が始まる頃にはほろ酔い気分でした。参加者は35名程度で、平均年齢は40代中盤くらいでしょうか。私のような院生は少なく、企業にお勤めの方やBank of Englandの方などがいらっしゃいました。
肝心の内容は発表題目を見て予め覚悟していたのですが、予想通りほとんど理解できませんでした。具体的には三件発表があり
- Rcppを用いたRとC++のシームレス化 → C++を知らない
- Rを用いてGoogle Motion Chartを作成する → Google Motion Chartを知らない
- TCLTKを用いてGUIを作る → TCLTKを知らない
というわけでお話になりませんでした。そもそも統計処理ソフトとしてのRというよりは、開発環境としてのRなどに興味のある方々が集まっているのかもしれません。
念願叶って・・の割に個人的には益の少ないLondonRでしたが、Rに関する他のイベントの情報交換(ではなく私は受け取るだけですが)も出来ますし、次回(12月)も行ってみようと思います。