DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

Lent Term 2011

二度目のLent Termが始まりました。昨年の1月は刺激多寡の毎日でしたが、今は良くも悪くも落ち着いています。博論は一年前に考えていたよりも随分と伝統的なSLA寄りの研究になっていますが、まあ面白いことができればいい、くらいにユルく考えていましたし今でもそうなので、それはそれでいいんじゃないかと思っています。実験(コーパスは観察?)も一つ終わり、進捗状況としてもそれほど悪いわけではないようですし、最低限のラインであるPhD取得に関してはこの一年は及第点ではないかと。ただ当初考えていたような、もう少し計算言語学NLPテキストマイニング)寄りのことも今年はできればと思っています。


今期は出席している授業は二つで、一つは特に決定詞(冠詞)に焦点を当てた第二言語習得の授業。もう一つは毎期開講されている言語習得&認知のReading Groupです。前者は昨年のtemporal referenceの習得に焦点を当てた授業と同様に言語学色が強く、ぱっとは自分の中に入ってこない感じですが、粘り強くついて行こうと思います。後者は脳であったりハードな認知であったりと、毎回面白い論文を読むので今期も期待しています。この二授業以外ではTuesday Colloquiaとsupervisionがある程度なので、昨期に比べると時間的拘束はかなり減りそうです。


研究の方は指導教官が忙しいらしくまだ今月に入ってから会えていないことと、某所からもらえるはずのデータについても音沙汰がない(+どれくらい自分が勝手に動いていいのかわからない)ため停滞気味です。秋から冬にかけてデータ処理で忙しかったため、作業レベルでできることがなくなると何となく手持ち無沙汰になってしまいます。関係ありそうな論文を読んでいますが、インプットだけだと不安ですね。


来月にEnglish Profile Seminarがあるのですが、今年は発表します。発表時間が質疑応答を入れて15分しかないので手法の細部は全て飛ばして結果のコアな部分しか紹介できませんが。久しぶりの公の場での発表なので念入りに練習しなければと思いつつ、まだほとんどしていません。同セミナーにはAdam Kilgarriff氏もいらっしゃって、English Profile CorpusをSketch Engine上で動かすという類の発表をされるようです。現在のCLCのユーザーインターフェースは決して良いとは言えないので、Sketch Engine上で触れるようになるのは大歓迎です。共同発表ですがご本人もケンブリッジにいらっしゃるとのことなので、お話させて頂くのも楽しみにしています。


その一ヶ月後にはNick Ellis氏がケンブリッジで二度講演され、その内の一つのイベントで私も発表します。最近の氏の興味と私の博論が大いに重なるので、ここでも色々とお話を伺えればと思います。


学術的な活動はさておき、この一週間ほどは卓球&チェスに時間を割いていました(&取られていました)。夏以降のことも合わせて簡単に流れを記すと、まず卓球に関しては慶應大で卓球をされていた方が今期から活動に参加され、更に私と同じHughes Hall所属ということがわかり、楽しみが増えました。学内的には昨期はDivision 5ということもありCollege Leagueで優勝できたのですが、今期はCuppers(Divisionに関係なく行うトーナメント方式のCollege間マッチ)で上位を狙えると思います。学外的にはケンブリッジシャーの大会、全英学生大会、Varsity(オックスフォードとの対抗戦)と2月に面白そうな大会が詰まっています。Varsityはわかりませんが、ほかには私も参戦予定です。チェスはCollege内外の日程調整がうまくいかずに苛立つこともしばしばですが、ボチボチやっています。10月-3月でCollege Leagueを7戦行わなければならないのですが、ようやくその2戦目(vs Clare College)が現在進行中です。私は1戦目に続き、時間との戦いになり敗れましたが・・・。


そういえば新しい自転車を購入しました。10月にタダで入手した中古の自転車が二ヶ月でガタが来てしまい、修理し続けるよりは新しいのを買った方が結果的に安くつくのではないかと踏みました。新しい自転車は盗まれやすいらしいので気をつけます。189ポンド(2万5千円弱)とやはり高価でしたが、少なくとも私が行った自転車屋にはこれ以上に安い自転車はないそうです。


明後日からオランダはユトレヒトExperimental Methods in Language Acquisition Researchというイベントのために行ってきます。言語習得のコンピューターモデルやマルチレベルモデルなど面白そうなチュートリアルがあります。席が自由席であるRYANAIRで行きます。