DTAL(旧RCEAL)留学記録

2010年1月から2014年半ばまで在学していたケンブリッジ大学理論・応用言語学科でPhDを取得するまでの記録です。

Michaelmas 2011

新年度のTermが始まり、一週間が過ぎました。今年度は昨年度までと比較して格段に忙しい日々を送っています。授業など、スケジュールが定まっているものを以下に挙げます。


出席・聴講している授業は以下。


Introduction to Natural Language Processing(月・金の10:05-10:55)
自然言語処理の入門。コンピューターサイエンス研究科で開講されている主に修士向けの授業です。NLP関連技術やテキストマイニングは学習者データを分析するための手法として身につけたいとずっと思っているので、本格的なNLPの授業を聴講できてよかったです。来期は機械学習の授業などもあるようですので、それらも是非聴講してみたいです。


Computational Corpus Linguistics (月の16-18時)
こちらは現所属のDTALでの授業。昨年も履修し落胆した授業ですが、今年度はDTALのNLPの専門家がサバティカルから戻ってきたこともあり、割と面白くなりそうです。初回からCLCのデータのみでcriterial featureを抽出することの危険性についての話がありました。その時の結論はNSのデータと比較しなければならない、というもので、それはそれで議論の余地があるのでしょうが、データ分析面で踏み込んだ話が聞けるのは面白いです。


Language Learning and Cognition Reading Group (水の17-18時)
毎期開講され渡英してからずっと出席している、心理や脳から見た言語習得・言語処理がテーマの読書会。一週間に一本の課題論文を読み、皆でディスカッションします。毎回論文が面白くてコンスタントに楽しみな授業です。


Li3 Language, Brain, and Society (金の14-15時)
supervision(後述)のために出席しているDTALの学部生向けの授業です。応用言語学(の一部)の入門で、言語習得、心理言語学言語障害、社会言語学などを16回の授業で概観するというものです。扱われる内容の大半は既知の情報です。


授業ではないものの、以下はそれに準ずるものです


Tuesday Colloquia (火の16-17:30)
昨年度までは毎週主に外部からゲストスピーカーを呼んで講演をしてもらうというスタイルでしたが、今年度は最初のタームでDTALでどのような研究が行われているかをResearch Clusterごとに紹介し、次のタームでそれぞれのClusterがその分野内のゲストスピーカーを呼ぶ、という形になるようです。


NLP Reading Group (木の12-13時)
コンピューターサイエンス研究科で行われているNLPの読書会です。慣れない分野の論文を読むのは容易ではありませんが、フォーマルな授業でもないので気楽に参加していこうと思います。


supervision(水の14-15時・木の16-17時)
ケンブリッジ大学の特徴の一つは学部のsupervisionというシステムにあります。これは授業の出席者を最大6人のグループに分け、1グループに1人PhD学生やPhD保有者がついて指導(主に課題へのフィードバック)を行うというものです。授業とは別に、一授業につき週に一度あるので学部生は大変です。今年度、RCEALが言語学研究科と合併してDTALとなったため、私の研究科にも学部生が入ってきました(RCEALは大学院プログラムのみでした)。その関係で私にもsupervisorをしないかという声がかかり、上述したLanguage, Brain, and Societyという授業のsupervisor(の一人)を務めることになりました。二グループを担当していて、まだ一度ずつしかsupervisionを行っていないもののディスカッションをリードする(あるいは盛り上げる)という自分には向いてなさそうな役割なので大変です。予め相当数のディスカッショントピックを準備することによって乗り切ろうと今のところは考えています。


これらに加え、私がsuperviseされる方のsupervisionもあります(一時間/週程度)。


卓球・チェス
卓球とチェスも続けています。Collegeチェス部の主将は新メンバーに引き継ぎ、ただのプレーヤーに。一方でCollege卓球部の方は主将が卒業してしまったため、やむなく私が引き継ぎました。チェス部よりは部内や他Collegeとのネゴシエーション(が主な仕事です)が楽だと踏んでいるのですが、まだ本当にそうかどうかはわかりません。